ストカールとは?おすすめする理由や特徴、施術できる条件などを解説します
今回は「ストカール」という技術をご紹介いたします。ストカールとは何なのか?メリットやデメリットは?わたしもストカール出来るの?などなどをひとつひとつご説明させていただきます。
わたくし、東京の原宿、表参道で美容師をしている楠本真澄です。好きな言葉は「うんちぃ」です。
目次
ストカールとは?
ストカールとは、ストレートとカールを組み合わせたスタイルで、クセを取り除きながらパーマをかける技術になります。
クセやうねりに悩む方、縮毛矯正をしてシャキーン!と毛先まで真っ直ぐぺちゃんこになってしまうのがお悩みの方には、とてもメリットが大きい技術になります。また、クセはなく毛先にはカールがありますので、基本乾かしただけで完成されたスタイルになってくれるので、スタイリングに時間がかからないし、アイロンで巻くのが苦手な方にもオススメです。
ストカールの技術、内容は、サロン、美容師によって違う。
ここでいきなり衝撃的な発言をしますが、美容師一人一人、サロンごとにおそらく技術的な解釈、内容、施術方法が違うのではないか?と僕は思っております。
グーグルで「ストカール」や「ストカール やり方」など調べてみていて、それは確信に変わりました。
様々なストカールのやり方
大きく分けて3つご紹介致します。
- 縮毛矯正をかけた後に、パーマをかけるやり方。
- 縮毛矯正をかけて、途中で高温ロッドを使用してカールをつける、いわゆるデジタルパーマ。
- 縮毛矯正、ストレートパーマをかけながら、その一剤のみの力でカールをつけるやり方。
ひとつひとつ、メリット、デメリットを交えながらご説明させていただきます。
1は、単純に縮毛矯正、ストレートパーマをかけてから後ほどパーマをかけるスタイルです。工程として、施術内容がはっきりと二分化した工程で、かなりの時間がかかります。最大の特徴として、縮毛矯正による1剤、パーマによる一剤と合わせて2度のアルカリ還元剤を使用するため、髪に対する負担はかなり大きく、要するに死ぬほど傷みます。メリットとしては、ワンカールだけでなく様々なスタイルのパーマが自在にかけれることで、デメリットは死ぬほど傷むのと時間がかかりすぎるのと(4〜5時間)、コストがかかります。コストに関しては、メニューとしても完全に分けられているので、普通に縮毛矯正代+パーマ代になるためです。
2に関しては、これは、確かにストカールはストカールですが、完全にデジタルパーマです。「デジスト」とも呼ばれる技術ですね。デジタルパーマは、一剤を付けて高温ロッドで形状記憶させるパーマ技術ですが、この一剤、クセやうねりもガンガンに伸ばせますので、クセ、うねりがある方には、それらをアイロンでストレートに伸ばし、その後高温ロッドでパーマをかけれます。
メリットとしては、形状記憶させるパワーがとてもあるので、とにかくカールのリッジはかなり出ます。様々なパーマスタイルに適応出来ることでしょう。技術的にも縮毛矯正をかけながらのパーマをかけるため、1に比べて時間はかなり短縮されます。デメリットは、やはりこれもダメージ、つまり傷みですね。一剤のパワーもえげつないですし、高温ロッドがとても傷みに繋がっております。タンパク変性も強く起こしており、髪が硬くなります。また、ヘアカラーにおいても影響を及ぼします。デジタルパーマをかけている方は、毛先のほうが根元あたりに比べてとても暗くなったことはありませんか?これは、タンパク変性によって起こる現象です。
※タンパク変性➡毛髪の世界では熱によって引き起こされるもので、たんぱく質が不溶性になり毛髪が硬くなる。
3の方法は、簡単にいうと、縮毛矯正、ストレートパーマ剤である一剤を塗布し、アイロン工程が終了した後、2剤をつける前に水、タンパク質、油分を補給しながらロッドでカールをつけるやり方です。最大の特徴は、傷みの大きな原因である1剤は1度しか塗布しないこと、高温ロッドではなく普通のロッドで巻くことです。
僕が今回ご紹介したいストカールがこの方法でになります。今回はそのやり方、メリット、デメリットを深掘りします。(個人的には、1.2はオススメしません。死ぬほど傷むので)
ストカールのメリットとデメリット
先ほど記載した3のやり方で施術するストカールのメリット、デメリットを細かくご紹介させていただきます。
ストカールのメリット
- 1剤は1度だけ。なので圧倒的にダメージが少ない。
- むしろ、うまく薬を作用させると髪質が改善され、ツヤが出てサラサラにまとまる。
- 普通のパーマ、デジタルパーマなどでは絶対に出せない弾力のあるカールが形成される。
- 毛先までツヤがある。
- カールの持ちが良い。(2〜4ヶ月)
- ブラシやアイロンを使わず、手で乾かしただけで綺麗にまとまり、スタイルとして完成している。
ストカールのデメリット
- カールの種類が限られる。(S字カール、もしくはワンカール)
- ストカールを施術出来る髪の状態が限られる。
ストカールを施術出来る髪の状態とは?条件とその理由
ほとんどメリットしかないのでは?と思うかもしれませんが、デメリットである「ストカールを施術出来る髪の状態が限られる」がとても厄介なので、詳しく説明させていただきます。
ストカール出来る条件
まず、施術出来る状態の条件を挙げさせていただきます。
- ブリーチをしていないこと。
- かなり強い縮毛矯正剤を使用した履歴がないこと。
- デジタルパーマの履歴がないこと。
- 縮れているようなとても強いクセでないこと。
- ある程度クセがあること。
- ド直毛ではないこと。
- ダメージ、傷みが蓄積し過ぎてないこと。
- ロング過ぎず、梳きすぎてないこと。
- ショートボブ以上の長さであること。
といった具合に、条件がなかなか多く、施術出来る髪の状態が少ないのです。
その理由
ブリーチしている髪は、髪の中のパーマがかかるタンパク質を多く流出している状態なので、まず絶対かかりません。強い縮毛矯正、デジタルパーマに関しては、過度なタンパク変性を引き起こしているため、カールがかかりません。
そして、クセの種類なのですが、縮れているようなクセの場合、かなり強い1剤(高アルカリ高還元、だいたい強いチオ)を使用しなければならず、この薬剤ではストカールは出来ませんので、クセが強すぎる方は断念です。そして、ストカールはクセを利用してかけます。直毛ではカールはかからない、というか、直毛の方は普通にパーマかけたほうがいいですね。
また、ブリーチもそうですが、ダメージ、傷みが蓄積されまくっているとかかりません。薬剤を付けれない状態、場合が多いためです。長さ的には、ロング過ぎるとうまくかかりません。おそらくダメージの心配もありますし、毛先が薄くなっている可能性が大きいからです。毛先の毛量、質感は重ためがオススメですね。ですので、ストカールをなさるお客様は必ずカットを2㎝以上はさせていただき、ダメージと重たさを改善しております。
今これらの条件を見て「ぐぬぬ・・・」となった方もおられるかと思います。
初来店で、条件が足らずストカールの施術を断念する、ということは正直多々あります。1番は、強い縮毛矯正剤を使用した履歴がある、という方が多いです。しかし、条件が揃えばストカールは絶対にしたほうがいいと断言します。それくらい、デメリットがなくメリットばかりの技術です。
ストカールした仕上がり
実際にストカールをした仕上がりです。ツヤがあり、毛先はまとまっています。
乾かしただけで内巻きにワンカールしています。
ストカールまとめ
いかがでしたか?ストカールはとても素晴らしい質感、ナチュラルなカール、ツヤを実現できる素晴らしい技術になります。ですので僕は強くおすすめしたいのですが、施術できる状態が少ないのがネックです。しかし、出来る髪質、状態の方は、とにかく全力でオススメします。
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よかったらぜひ、ご参考下さいませ。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。