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寒色系がやっぱり好き。アイスグレージュなカラーであなたの心はズッキーニ。

わたくし、東京新宿でフリーの美容師をしている楠本真澄です。最近、佐藤二郎さんと飲みに行く夢をみました。お会計は割り勘でした。

今日のカラーは、氷のように冷ややかな印象を与えるくらい寒色に寄せたカラー、アイスグレージュというカラーをご紹介致します。

とその前に、なぜ僕がこんなにも寒色系カラー、つまりアッシュ系カラーが好きなのかということを説明させてください。

あれはたしか、小学5年生の頃。いつものように鼻水を垂れ流しながら訳もなく校庭を走りまわっていた僕に、1人の男の子が近付いてきた。

彼の名前はミノル。小学生なのに身長が165くらいある巨人だった。髪はややうねっており、身動きは基本遅く、勉強もそんなに出来るほうではなかった。

冬時期になると、彼のアウターはプーマのベンチコートだった。それを着た彼が近づいてきて、僕にいった。

「楠本くん。冬の魚は、身がしまって美味しいんだよ。」

僕は思った。僕、「冬の魚って美味しいの?」なんて聞いたっけかな。いや、そんなはずはない。しかし、会話の始まりが「冬の魚は身がしまって美味しいんだよ」なわけがない。

僕は戸惑った。こんなナンパをする男がいたら女性は立ち止まるのだろうか。いや、無視だ。僕も無視したかったけど、「そうなんだ。」と答えた。

さらにミノルは続けた。

「冬の日本海は、荒波なんだ。その荒波の中を泳ぐ魚達もまた、美味しいんだよ。」

僕は思った。あれ?今僕、「日本海側と太平洋側で魚の質って変わるの?」って聞いたっけかな、と。

違う。きっと違う。おそらく彼は、昨日今日得た知識を、僕に伝えたかったのだろう。良い言い方をすれば、その得た知識を僕へ伝えて共有したかった。悪い言い方をすれば、ただうんちくを言いたかっただけ。

その時、僕はまた、「そうなんだ。へぇー。」と言った。

その夜、家に帰り、そのことを考えていた。天井を見つめ、ボーッと魚のことを考えていた。

そして僕は、そのミノルの情報を改めて咀嚼した。冬の魚は身がしまって美味しい。日本海側の魚は荒波の中泳ぐから美味しい。

なるほど。改めて、改めて僕は思った。

 

 

 

 

 

 

 

そうなんだ、と。

 

 

 

 

 

 

 

そして、それから数年経ち、アッシュ系カラーが好きだ。アッシュ系カラーを極めたい。アッシュ系カラーと飲みに行きたい。と思ったのです。

よかったらぜひ、お試しください。素晴らしいアイスグレージュカラーに、してみせます。

 

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