ラベンダーグレージュな透明感カラー。あなたの僕の、ワルシャワ条約。
わたくし、原宿、表参道で美容師をしている楠本真澄です。足の人差し指が異常に長いです。
今日のラベンダーグレージュは、一言で表現すると「素晴らしい透明感とグレーの透け感とほのかに香るラベンダーが織りなす排他的経済水域のようなもどかしい感じ」だと言えます。
つまり、素敵ということなんですね。
暗めのラベンダーグレージュカラー
「黄色味が嫌いなの」とあなたは言った。少しうつむいて、微笑みながら。僕は空を見つめたまま、無言でうなづいた。
続けてあなたは言った。「すぐ明るくなるのが、嫌なの」と。
僕は、「そうだね」とだけ言って、その場で逆立ちをした。その逆立ちは一瞬で、すぐに着地した。あなたはうつむいたままで気が付かなかった。周りの人は、急に一瞬逆立ちした僕を、怪訝そうな顔をして通り過ぎていった。
あなたの要望はこうだ。
「黄色くなりたくないし、すぐ明るくなるのも嫌。ラベンダーにしたいけど、グレーのようなカラーが1番好き。しっかりと色持ちしてほしいし、結局は誰かに奢ってもらえる焼肉が1番美味しい」
ということ。
僕は、すぐさま施術にとりかかった。
注意することは三つ。
- 色持ちをよくすること
- 色が落ちても黄色味を出さないこと
- 透明感を出すこと
- グレーのニュアンスを強くすること
- 動物を可愛がること
以上のことを踏まえ、レシピを作成した。
見よ、この美しさ。高級な和食レストランの壁に絵画として展示されていてもおかしくない趣のある重厚な仕上がり。
今年のアカデミー賞は間違いなくこれでしょう。
ラベンダーグレージュ、ぜひお試しあれなのだ。