デジタルパーマかかり過ぎの痛みすぎな髪をサラサラのストレートヘアにィィ!!
「こんなはずではなかった。」
人生は、長い。そう思うことも、多いだろう。
今日も、「こんなはずではなかった。」と言った面持ちのお客様が、やってきた。
僕は言った。
「はじめまして、楠本真澄です。今日はどうなさいましたか?」
お客様は言った。
「空は裂け、大地が割れ、稲妻と砂煙が容赦なく襲い、そんな中に、私はいた。」
僕は言った。
「わかる。」
こちらをご覧ください。
なるほど。そう僕は心の中で、つぶやいた。
おそらく、デジタルパーマをかけたけれども、チリチリのジリジリに失敗され、髪が痛み散らかしたのだろう。そのせいで、さっきはあんなことを言っていたのだろう、と。
僕はセラピストではない。
しかし、技術を通して、荒んだ心を、どうにかしたい。そう思った。
僕は、全身全霊で、施術にとりかかった。
途中、「録画しているテレビを見ているのにCMに入るまでトイレ我慢しちゃうんだよね。」というくだらない話をしてしまったのはここだけの話だが、それでも集中して、行った。
綺麗に、仕上がってくれた。カラーもしました。暗めのカラーです。
これで、お客様の荒んだ心も、元通りになったかもしれない。
僕とお客様は、とてもハッピーな気持ちになった。
ハイタッチを、繰り返した。
組体操の、「サボテン」をしたりした。
よかったよかった。