強くパーマがかかって爆発してしまった髪をサラサラのストレートに。
やぁ。そこの君。そうそう、君だよ、君。頭がなんだか知らないけど、爆発している、君だ。
一体どうしたっていうんだい?
え?パーマかけたら、えらいこっちゃ?
それはえらいこっちゃやないかい。
それはね、僕にぜひね、任せてほしいね。
強いパーマあてられて爆発した髪をツヤサラなストレートにしたンゴよ。
わたくし、原宿、表参道で美容師をしている楠本真澄です。最近、かなりの「根明」ということが判明しました。
僕はたぶん、女性の爆発した髪を幾度となく見たことがある男になるだろう。
今日も1人のお客様が、初めて来た。
「とにかく、死にたい」
僕は言った。
「いらっしゃ、え?」
お客様はとても暗い表情をしていた。
この世の終わりかのような、表情だ。いや、さすがにそれは盛った。盛ったけど、ほんと、電車の中でくしゃみして鼻水が自分の袖にビシャーってなったときくらい、暗い表情をしていた。
お客様は、恐る恐る、言った。
「わたし、これから、どうやって生きていけばいいか、、、、」
僕は言った。
「最善は尽くします。僕に全て、お任しゃ下さい」
噛んだ。
噛んだけど、お客様は、塞ぎ込んでしまった気持ちなので、スルーした。
きっとこのお客様も、いつも通りだったら、
「いや噛んどるやないかぁーい!!そこビシッと決めてぇーやぁ!」
とツッコんでいたに違いない。そのツッコミをさせられないくらい甘い天然ボケをしてしまった自分に、腹が立った。腹が立ったついでに、腹が減った。決めた。今夜はココイチに行こう。
そんなことを考えながら、髪を見てみた。
これね、これ。この、毛先のこの感じ。
痛みかなんかまだわかりませんが、とにかくめちゃくちゃハイトーンになっていて、ジリジリ、チリチリしています。
これはね、えらいこっちゃ。
手ぐしは全く通らず、僕は心の中でこう思った。
「とにかく、カレーは太るから、ココイチは今夜はやめておこう」
理性とは、いついかなる時も、正常であって損はない。
ココイチは、旨い。そんなことはわかっている。しかし、夜に食べると、どうなる?空腹の状態で行くと、どうなる?
ハンバーグや揚げ物を、トッピングしやしないか?
ご飯の量を、増やしやしないか?
お疲れ様と言って、ビールも頼みやしないか?
そうなったら、デブまっしぐらだ。
僕は、ココイチに行くことをやめた。
そして、髪のことについて、考えた。
見た目とは裏腹に、濡らしてみると、かなり強くかかっていました。
パーマは基本、濡らした時ほど強く出る。
今回の場合、それがかなり凄かった。ソバージュを超えていた。コイルだ。マットレスの中に入っている、あのコイルだった。とにかく、凄かった。
その時の写真を、僕は撮り忘れた。
それはなぜか。
そう、あの時、「なぜリップクリームはいなくなるのか」について熱い議論をしていたのだ。使いきる前に、必ずいなくなるあのリップクリーム。やつは一体、どのタイミングで消え、いまどこにいるのか。そんなことを考えていた。なんだこの話。
僕は、とにかく、いかにダメージさせずにストレートにするか、細かい薬剤のレシピを考えていた。
頭の中に流れているのは、もちろん山下達郎さんの「RECIPE(レシピ)」。グランメゾン東京の、テーマ曲だ。ボナペティ。
そんなことはびっくりするくらいどうでもよくて、とにかく、持てる技術と知識を最大限、いや、無限大に発揮して、直させていただきました。
ボナペティィィィィィィイイ!!!!
とても綺麗に仕上がりました。パーマが取れただけでなく、パーマをかける前より良くなった、とおっしゃられておりました。
僕は嬉しくて、嬉しくて、涙を流しました。ついでに、うんちも漏らしました。
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