パーマ失敗により超ボサボサになった髪を優しいストレートパーマでサラサラに
東京新宿でフリーランスの美容師をしている楠本真澄です。「箱ティッシュの1枚目必ず破くヤツ選手権」で12連覇しております。
今回は、派手にパーマを失敗してしまった超絶ボサボサ髪を、僕の技術力でサラサラにしましたのでご紹介いたします。
お客様は、3月に入ったばかりの頃に、神妙な面持ちでやってきた。
風が強く、やや肌寒いが、陽射しが強くなってきた今日の空気は、まるで春と冬が交差するようだ。道端には小さな花たちが咲き始め、その色とりどりの姿が目を楽しませてくれる。街の人たちも、薄手のコートやジャケットを着て春のファッションに身を包んでいるが、背中を丸くして寒がっている。それはきっと、気温は暖かいが、風が強いせいだろう。
この時期になると、何か新しいことを始めたい気持ちになる。春は新たなスタートを切る季節だ。私も何か新しいことに挑戦してみようかと思う。例えば、「自分の爪だけを見て何時間過ごせるか」とか。風が吹き抜ける春の日差しを感じながら、今日も一日を過ごしていこうと思った、そんな矢先のことだった。
1人のお客様が、僕の前に現れた。彼女の顔は、決して晴れやかなものではなく、なにか思い詰めたように、やや目線を下に向けていた。
初めて会うその女性は、僕を見るとすぐに
「終わった。終わったのだ。私の髪は、ザ・エンドになってしまった」
彼女は、自分の髪を鏡で確認しながら、唐突に言った。僕はすぐさま、こう返した。
「それを言うなら、ジ・エンドですね」と。
少しだけ張り詰めていた空気が、和らいだ気がした。しかし、状況は何も変わっていないことは、お互いにわかっていた。
状況、状態を変える方法は一つだけ。「施術を行い、サラサラのストレートにすること」
お客様の髪の状態は、決して良くはなかった。縮毛矯正を定期的にしており、カラーはハイトーンを繰り返してきた。傷みは着実に蓄積され、しかしビジュアル的には問題はなかった。だが、そこにパーマをかけたのだ。そう、パーマだ。それはつまり、泥酔している人間に4杯のテキーラを一気させるようなものであり、つまりは死に至る。お客様の髪の状態は、まさにそれだった。
手櫛でさえ全く通らないその髪から、悲鳴が聞こえてくる気がした。私はその悲鳴を受け止め、抱きしめて、大外刈りをした。なぜ大外刈りをしたかはわからないが、負けてはいけない、そんな感覚だった。
根本付近には、強いクセが存在した。これを同時に取り除く必要があった。つまりこの施術は、高レベルの技術力が必要不可欠であり、「私にしか出来ない」と直感で思った。
結果、とても難しい施術になったが、私は何の問題も、何のダメージも、何のウンチも残さずに、施術を終えることが出来た。しかも、短時間で。
お客様は、世界が変わったように喜んでくれた。何度も感謝を告げる彼女に僕は、それ以上の感謝を伝えた。お客様は、きっとテンションが上がりに上がってしまったのでしょう。帰り際には、バク転を連続でしながら帰っていきました。僕はそれを見て、「すんげえ」と思いながら、見送りました。
同じようなお悩みある方は、ぜひ一度お試しを。