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【カラー失敗】根本が明るくなり毛先が暗くなる失敗の原因と対処法

今回は、ヘアカラーで起こる失敗の一つ、毛先が暗くなり根本が明るくなり過ぎる「逆プリン」状態になってしまう原因と対処法をご紹介いたしますので、ぜひご覧ください。わたくしは原宿、表参道でアッシュ系カラー専門で美容師をしている楠本真澄です。去年の猫舌選手権で準優勝しました。

目次

根本が明るくなりすぎる失敗の原因

ヘアカラーの世界では、毛先のほうが明るいのは割と許容されます。グラデーションカラーなどはその最たる例になります。しかし、逆に根本のほうが明るいのは、カラースタイルとしてあまり馴染みづらく、正直かなり「変」です。ではなぜ、その失敗は起こるのか。大きく分けて4つありますので、順にご説明致します。

髪質を把握しきれていない

美容師側が髪質を把握しきれていなく、安易な考えでレシピを組み、結果失敗するパターンが1番多いでしょう。根本が明るくなりやすい髪質の特徴としては、細毛軟毛という、いわゆる猫っ毛な方。思っていた以上に明るくなりやすく、特に根本付近は体温である温度が加わり、毛先などに比べて特に明るくなりやすいのです。基本、根本に関しては体温のことを考えなければなりません。温度が加わるほうが明るくなりやすいのは美容師側は必ず把握しています。しかし、髪質によっては、特に猫っ毛の方は明るくなりやすく、その髪質をしっかりと見極めてレシピを考える必要があります。

また、ダメージをどのくらいしているのかというのも把握していなければなりません。根本付近というのは生えてきて間もなく健康な状態ですが、毛先のほうはカラーやらアイロンやらで多少ダメージしているはず。ダメージレベルによって発色の仕方は異なりますので、レシピでコントロールしなければなりません。

黒染めをしていた

こちらもよく失敗しやすいパターンだと言えます。過去に黒染めをしていて、黒染めしていた部分が明るくならず、黒染めしていない根本付近は普通に明るくなってしまったパターン。もちろん美容師側のミスにはなりますが、黒染めしていたことを美容師側に伝えない、または伝え忘れる方もいらっしゃいます。もしあなたが黒染めしていた過去がありましたら、必ずそれを伝えましょう。僕も過去にこの失敗はよくしてて、非常にツラタンでした。なので、ご新規様や久しぶりに来店される方には必ず聞くようにしています。
基本、黒染めをしていたらそれを考慮してレシピを組んだりそれに合わせた塗布をしないと必ず失敗します。よく失敗するパターンの一つと言えるでしょう。

縮毛矯正、デジタルパーマをしている

施術の途中で髪に高熱を加える縮毛矯正やデジタルパーマですが、その施術部位には必ず髪の中で熱変性が起こっています。髪の中のタンパク質が熱により固まってしまう現象なのですが、その熱変性部分と熱変性を起こしていない普通の部分とでは、カラーリングでの発色の仕方が異なります。特に寒色系(アッシュやマット系)は、熱変性部分ではかなり暗く染まる現象が起きます。美容師業界ではそれを「毛先が沈む」とか言いますが、お客様側はまさかそんなことになるとは知らずに、縮毛矯正やデジパをかけたことを伝えないこともしばしば。もちろん、カウンセリングで美容師側が聞かなければならないし、聞いてたのにもかかわらず失敗することも多々あります。

彩度、色味の差

色というのは、色の種類によって明るさが違く見えます。同じレベルの明るさでも、例えばオレンジとブルーとでは明るさが異なって見えます。暖色系は明るく見え、寒色系は暗く見えます。つまり、根本付近は赤みが強く、毛先は青みが強ければ、同じ明るさだとしても根本のほうが明るく見えることでしょう。
これはレシピでの失敗になり、色彩をコントロール出来なかったための失敗だと言えます。

根本が明るくなった時の対処法

原因によって対処というのは異なりますが、基本的には毛先の明るさや色味に合わせて根本を染め直すことが考えられます。また、根本に合わせて毛先を明るくすることも可能なパターンもありますのでご説明致します。

髪質を見極められなかった失敗の場合

この場合、毛先は普通の明るさだとして、根本のみが明るい状態かと思います。なので根本を毛先の明るさに合わせて暗くすることが望ましいでしょう。
しかし、ダメージによる失敗ですと毛先のほうが暗くなっているパターンもあり、その場合はもちろん毛先を明るくしなければなりません。ダメージによって深く発色したカラーを再び明るくするのは意外と難しい技術であり、知識がなければ困難でしょう。
こちらに詳しく書いてますので、プロの美容師の方はご参考ください。(培ってきた技術、知識を公開してますので有料となっております。)
【美容師向け】失敗しないカラーリング技術。リフトアップする際、超簡単でスピーディに行う塗布手順と最適な薬剤選定

黒染めでの失敗の場合

この失敗のパターンですと、基本的に根本を暗くするしか術はありません。黒染め部分を明るくするのには高度な技術が必要になります。またはブリーチするなどの荒技もありますが、それもまたムラを生み出しやすいので、信頼出来る美容師にお願いしましょう。

縮毛矯正やデジパによる熱変性が原因の場合

こちらは熱変性部分に深く色が入ってしまったパターンですので、根本を同じくらいの明るさに染めれば簡単に直せるでしょう。また、毛先を明るくして直すパターンもありますが、ダメージでの失敗同様、レシピに工夫を加えないと明るくはなりません。
こちらでもまた、詳しく解説してますのでプロの方はご参照ください。
【美容師向け】カラーリングにおいて熱変性している毛先が暗くならないための方法と、なってしまった時の改善策

彩度、色味の差による失敗が原因の場合

根本か毛先の色に合わせれればそれに越したことはありません。足りない色素を足して染め直せれば問題はないでしょう。
これに関してはさまざまなパターンがありますが、割と多くは根本がオレンジや赤み、そして黄色みがあるブラウンに染まってしまい明るく見えるパターンだと言えますので、暗いアッシュや暗いブラウンにアッシュを混ぜたようなレシピにすると良いでしょう。
また、根本はブリーチしていなくて中間から毛先はブリーチをしていて起こる色味の差を無くす染め方をこちらでご紹介してますので、合わせてご覧ください。
【プロの美容師向け】ブリーチした部分が残っている髪を綺麗に簡単につなげるカラーレシピとは

まとめ

基本、染める前に髪質や状態を全て把握しレシピを考案すればこのような失敗は起こりませんので、カウンセリング、そして工夫したレシピが重要になってきます。お客様側も、施術履歴は出来るだけカウンセリング時にお伝えしましょう。まずは失敗を避けることが理想です。しかし失敗してしまったら、原因を考え、原因に合わせて対処することをおすすめします。

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最後まで読んでいただきありがとうございました!

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