Blogブログ

【カラーリングのムラ】ムラになる原因とその解決策をプロの美容師がご提示します

東京新宿でフリーの美容師をしている楠本真澄です。猫舌過ぎてタコ焼きが苦手です。
今回はヘアカラーリングにおける「ムラ」に着目し、ムラになる原因、そして対策や解決策をご紹介したいと思います。私はどんな履歴やどんな髪質でもムラなく染め上げる術を身に付けておりますので、どのようにしたらムラを防げるのか、また、どのようにしたらムラになるのかを熟知しております。きっとあなたがこの記事を見終わる頃にはプロ並みの知識を身につけているかもしれませんね。ええ。

目次

何故ムラになるのか?

近年のカラーリング剤は、どのメーカーの物もとても優秀です。カラー剤のスペックが高いため、よっぽどの配合ミスなどがない限り通常はムラなど発生しません。しかしそれは髪質や状態が「普通」であれば、の話です。基本どんな人が塗布しても、常識の範囲内の技術であればムラは発生しないでしょう。

ですが、ムラになる場合は多岐にわたり、SNSなどでも被害の声が上がっています。

結論、ムラになる原因としては、①髪質を見極められていない、②薬剤履歴に合わせたレシピを考案出来ない、③ブリーチカラーなどの明度差が激しい場合の塗布技術不足の大きく分けて3つになり、どれか1つの理由だったり複合的な理由だったりと様々ですが、それらを簡単に解説していきます。

①髪質を見極められていない

金子みすずさんは言いました。「みんな違って、みんないい」そう、そうなのです。髪質は1人1人必ず違うのです。細かったり太かったり、硬かったり柔らかかったり、量が多かったり少なかったり、クセがあったり直毛だったり、メラニン色素が赤系だっあり黄色系だったり、朝が強かったり弱かったり、うどん派だったりそば派だったり、様々な要素によって細かく分かれます。例えば、同じ明るさの同じアッシュ系の薬剤を同じバージン毛の2人に対して染めたとして、一緒の髪色の仕上がりになるのか、というと答えは「否」になります。それは、その2人の髪質が異なるからに他なりません。

また、根元部分のみ明るくなりやすかったりする髪質や、毛先が暗くなりやすい髪質も存在します。アッシュが入りやすい髪質、ピンクが入りやすい髪質も存在します。

つまり、1人1人の髪質に対して考えを巡らせ、レシピを考案しないと染まり方に差が生まれて、明るさのムラや色味のムラ、鮮やかさのムラが発生してしまうのです。これはお客様自信の責任ではなく、美容師側の責任と言えるでしょう。

②薬剤履歴を見極められていない

様々な施術が存在し、様々な薬剤が髪に対して浸透しています。近年はさらに薬剤の種類、施術の種類も増え、美容師ですら「なにそれおいしいの?」状態になり把握出来ていないことも多々あります。
カラーリングというのは、髪の内部に浸透しタンパク質に対して染まります。それは、他の縮毛矯正やパーマ、トリートメントなども同じであり、毛髪内部、ないしは外部に対して何らかの影響を与えて変化をしています。
そうすると、他の縮毛矯正やパーマなどをしている部分としていない部分がある場合、カラーをした際に染まり方が異なってくる可能性が非常に高くなるのです。
例えば、縮毛矯正やデジタルパーマなどの施術途中で高温を与える施術の場合、毛髪内部のタンパク質は熱変性し、状態は大きく変わります。その状態にアッシュ系の色で染めると、予想よりも暗くなるのです。ゆえに、縮毛矯正やデジタルパーマをしている部分としていない部分とで、ムラが発生するのです。

また、濃い黒染めを過去にしておりそこから明るくする場合、その濃い色素が分解出来ずに残り、黒染めをしている部分としていない部分とでムラが発生します。

つまり、薬剤履歴を把握してレシピを変え、塗り分けをしなければムラになる可能性が非常に高くなるのです。これも美容師側の技術や知識、経験の問題になります。

しかし、ご新規様や数回しか担当していないお客様からの「履歴の申告漏れ」も近年問題になっております。1年前にしたから言わなくてもいいと思った。もう取れたし残っていると思ってなかった。等の考えで過去の施術履歴を申告せずに、結果ムラになることも実はめちゃくちゃ多いのです。

なので、美容師側はお客様にカウンセリングの段階で確実に過去の履歴を聞き出さないといけませんし、お客様は何年前の施術でもその部分を切り落としていない限り必ず申告することが必要となります。双方で把握し合うという関係性が、より良いカラーリングの施術へと繋がります。

【美容師向け】カラーリングにおいて熱変性している毛先が暗くならないための方法と、なってしまった時の改善策

③ブリーチなどの明度差がある場合の技術不足

最初に、カラー剤が優秀なので本来ムラは発生しづらいと書きましたが、ブリーチなどの技術に関しては話は別です。やはり、塗布技術の高さ、経験、知識などにおいて、ブリーチカラー、ダブルカラーは仕上がりのクオリティーに差が生まれます。

また、ブリーチカラーでなくとも、例えばブリーチしていない最大の明るさから真っ黒にしたり、またバージン毛の黒髪から最大の明るさにブリーチなしで染めたりと、仕上がりに対して明度差がある場合もしっかりと塗布出来ていないとムラが発生しやすいでしょう。

ブリーチも明度差が激しい施術になりますし、毛髪内部の状態も強いアルカリによりかなり不安定になります。その状態を把握することもとても大切であり、把握出来ていないとムラが発生してしまうのです。

【美容師向け】ブリーチカラーを成功させる秘訣【Wカラー攻略法】

ムラを防ぐためには何が必要なのか

まず、①髪質を見極められていない、から説明していきましょう。これはやはり経験がものを言います。様々な髪質、多くの髪質に触れてきたほうが膨大なエビデンスが生まれ、そのエビデンスから予測してレシピを考えることが出来ます。例えば、お客様が「8レベルくらいの明るさにしたい」とオーダーがあった際、普通に8レベルで染めはしません。明るくなりやすい髪質の場合は、特に根元に対しては5.5レベルで染めたりしますし、逆に明るくなりづらい髪質の場合は10レベルを使ったりします。それは、色味によっても異なってきます。

つまり、美容師側がお客様の髪質を見極めることが必要不可欠なのです。お客様側から出来ることは、「過去に根元だけ明るくなったことがある」等のムラになった事例を伝えることになりますが、これも美容師側がカウンセリングの時に聞くととてもスムーズでしょう。

次に②薬剤履歴の見極めですが、解決策は上でも書きましたね。美容師側がカウンセリング時に聞き出すこと、そしてお客様も全てを正直に話すこと、ですね。取り調べかよ、と思うかもですが、やはりとても大事なことです。

初めての病院、初めての美容医療サロンなども、確実に過去の履歴を問いただしてきますよね。これらを蔑ろにするととても大変なことが起こるからです。美容院でも、過去の事例は確実に伝えましょう。美容師も、必ず聞きましょう。そのうえで、違ったアプローチを考案し、対策していくのです。

そして、③のブリーチなどの明度差のある施術ですが、これはやはり経験がある上手い人にやってもらうのが1番です。さらに、丁寧な人にやってもらうのがベストです。経験も大事ですが、経験がある上手い人は丁寧な塗布や技術を行います。そうしなければムラになることがわかっているからです。

しっかりとした塗布、丁寧な塗布を行っていれば、必然とムラはなくなるはず。発展途上の方でも、サボらずに続けていれば必ず上手くなります。

真摯に技術とお客様に向き合っていきましょう。

まとめ

最後になりますが、プロ向けにテクニカルな技術事例、施術事例の提案記事を掲載しますので、よかったらご覧ください。また、お客様は、近年のSNSでの投稿において美容院選び、美容師選びは大変迷われるかと思います。気に入ったスタイルがあってその人の元へ実際に行ったら下手くそだった、という話はよく聞きます。なので僕は、インスタやTikTokだけでなく、様々な媒体の情報も見ることをおすすめします。ホームページだったりYouTubeだったり。

ヘアカラーのムラというのは、素人目にも「ムラになってる」というのがめちゃくちゃわかってしまいます。なので、今回の記事を踏まえて、美容師選びをしていただければ幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。あなたのヘアスタイルがムラのない美しい髪色になることを願っています。

【美容師向け】鮮やかなレッドやピンクに染めるとき根本だけ彩度が高く明るく見える失敗の理由と簡単な解決法

関連記事

サムネイル