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市販の黒染め剤で染めてはいけない理由とサロンで黒染めするべき理由。

こんばんは。原宿、表参道で美容師をしている楠本真澄です。

今日の記事はズバリ「黒染め」に関する内容です。

黒染めとは、明るくなっている髪色を黒く染めるカラーのこと。

なんらかの理由や気分により安易に黒染めをしようとしているそこのあなたに、今日は黒染めが持つとてつもないリスク、市販の黒染め剤で染めてはいけない理由などを芥川賞を取るつもりで書き連ねていきたいと思っています。

黒染めするつもりないし髪ももともと染めてないし黒染めとか全く興味ないしどっちかというと今うどん食べてるから黙って、とかいう方は今すぐこのページ閉じて「バッタの脚力」とか調べて寝てください。

目次

黒染めした髪は、簡単には明るくならない

そうなんです。簡単には明るくなりません。

黒い色素は、絵の具でもそうですがカラーの中でも最強です。一度髪の中で染まると、かなりのダメージを冒しながら染めなければ基本分解せず、綺麗に明るくなることはありません。

そして、黒染め特有のことですが、明るくするときに赤黒くなる、という悲惨な出来事が起こります。

上手く明るくならないし、変な赤黒い髪色になるし、うんち漏れちゃうくらい悲しいこと。

これもまた、黒染めが持つ色素が強すぎるので起こることである。

つまり、一度濃い黒染めを使用すると、えらいこっちゃ。ということだ。

黒染め後に明るくする時は、黒染めする直前の髪の状態に左右される。

黒染めする場合、もちろん髪が明るいから黒染めするはずですね。

その時の状態が、意外と大事だったりします。

同じ黒染め剤を使うとして、例えば7レベルの髪、13レベルの髪、どちらが次回、明るくなりやすいのでしょうか?(地毛の明るさは大体4〜5レベル)

答えは、後者です。

染める前の髪の中にどのくらい元々の地毛のメラニンが残っているかに左右されるからなのだ。

よって、もともとのメラニン色素を削り、明るくなっている13レベルのほうが明るくなりやすい、ということになります。

この問題は期末テストあたりで出す予定なので、復習を忘れないように。

そして、ここで大事なことをひとつ。

メラニン色素が満タンになっている元々の地毛(黒髪)に黒染め剤を使用すると、ブリーチしても明るくならない。

これ、非常に大事です。二次関数より大事です。

(昔、ある高校を卒業したばかりのお客様がご来店になり髪の状態を伺うと、染めたことは人生で一度もない。しかし、地毛がほんの少しだけ明るかったので学校の先生に黒くしなさいという指示が。言われた通りに何もしていない根元から毛先までの黒い地毛に黒染め剤を自分で塗布。ブリーチしても明るくならないしアッシュにもならないのをお伝えしたが、お客様の強いご要望で染めることに。結果、強いブリーチを使用しても6〜7レベルまでしか明るくならず、しかもやや赤黒くなった。やはり、地毛の黒い部分に黒染めを使用し、その状態から明るくすることは難しかったンゴ。)

 

そんなことを踏まえ、次のテーマ。

黒染めをする際は、”塗り分け”が必要不可欠

先ほど説明しちゃった通り、元々の地毛の黒髪の部分に黒染め剤が付着すると、アウトである。

画力の残念さは置いといて、黒染めする場合は画像の通り根元が伸びている(プリン状態)の可能性が高いはず。

逆に綺麗に根元から染めて、「わぁ〜綺麗な色〜!じゃあ早速黒染めお願いしゃす!」みたいに直ぐ黒染めしちゃうような猛者はなかなかいないと存じます。

可能性の多くとして、上の画像のような状態で黒染めするパターン。

ただ、例えば市販の黒染め剤で自分で染める場合、根元の地毛の部分と茶色い部分、塗り分けられることが出来るだろうか?

これはプロの美容師が自分で自分の髪に染めても無理でしょう。

必ず、地毛の部分に黒染め剤が付きます。

ようは、プロの美容師による塗り分け、というのが必要不可欠になるのです。

僕が言いたいのは、市販の黒染め剤のスペック云々ではなく、果たして塗り分けられる技術があるのか、ということだ。


本当もう画力の話は置いといて、例えばプリンがある状態で根元から毛先まで塗り分けをせずに黒染めし、数ヶ月経って明るくすると、上の画像の通りムラになる。必ず、なるンゴ。


いや、だから画力の残念さは置いていただいて、話をね、聞いてね。ほんとに。

上の画像のような状態のまま黒染めしたい。けど、市販の黒染め剤で塗り分けられないので、では美容室に行こうか、と思うとします。

そこで正直な意見を言います。

「美容師でも3㎜以下の塗り分けは難しいです。」

すみません。

髪は場所によって生えてくるスピードは違います。

そして、詳しく説明すると5万文字くらい書かないといけないので割愛しますが、我々美容師が集中してギリギリを狙って塗布しても、 ほんの数ミリは地毛の黒髪に薬剤が付いてしまいます。

では、どうすんねん、おい、となります。

答えは、根元の地毛のプリン部分だけを一度明るくし(リタッチと言われる手法)、そこから根元から毛先まで黒染めする。

このやり方が、1番安心安全で、綺麗に黒染めが出来るのだ。

一度リタッチをしているので、地毛の黒髪の部分はない。よって、黒染め剤が地毛に着くこともない。という方程式だ。

この方程式は微分積分並みにテストに出るから、覚えとくように。

さて、今まで散々芥川賞狙いで語ってきました。

しかし、リタッチして地毛のプリン部分を明るくしても、黒の色素の濃い黒染め剤でカラーすると明るくならないのではないか、という問題がまだ残っている。

そこで、僕が提案したいのが、めちゃくちゃ濃いグレーアッシュで黒髪に見せようぜ、ということだ。

黒ではなく、グレーで染める。

濃いグレーで黒髪にすることによって、次明るくする時に、簡単に明るく出来る。という結果が出ております。

しかも、あなたが大好きなアッシュ系、グレーアッシュ系にも出来るのだ。

まとめ

僕の画力のことはもう本当に置いといていただき、黒染めする時は今後のことをしっかりよく考えて、染めていただきたいです。

あなたのせっかくの綺麗な髪が、ほんのすこしの油断と知識不足でムラムラの髪になってしまいます。

とても勿体無いです。

ぜひ、一度ご参考くださいませ。

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